こんにちは。
フリーイラストレーターの熊谷ユカ(@kuma_yuka___)です。
- やさしい人物画、買ったはいいけどけっきょく使ってない…。
- どうやって使ったらいいんだろう?
- 本を買う前に、使い方を知っておきたいな。
今回は、こんな悩みにこたえる記事です。
この記事では、
- 『やさしい人物画』はためになるのか?
- 『やさしい人物画』の効率的な使い方
などについて、説明していきます。
私は3か月ほど前に『やさしい人物画』を購入して使い始めました。
今までかなり人の体を描くのが苦手&ヘタだったんですが、『やさしい人物画』を工夫して使ったことで、人の体を描くのがうまくなったと思います。
『やさしい人物画』とは?
はじめに、『やさしい人物画』がどんな本なのか?について、軽くふれておこうと思います。
本書から少し引用させてもらいました。
本書は、初めて人物画を描こうとする人たちにも分かりやすいよう、合理的、系統的に人物画の描き方を解説したものである。
解剖学に基づき、人体の構造(骨格や筋肉)やプロポーションを把握したうえで、デッサンの仕方、遠近法の使い方、陰影のつけ方などが出来るよう、図解によって詳しく展開している。
また、立つ、座るといったポーズだけでなく、ひざまづく、かがむ、横たわる、よりかかるなど動きのあるポーズを多く取り入れ、躍動感あふれる人物画が描けるよう工夫されている。
更に頭、手、足といった部分についても体と同様詳しく解剖学的に展開し、衣服などの材質の表し方も解説するという丁寧な内容になっている。
本書を学ぶことによって、モデルや写真なしに人物のラフスケッチが容易に描けるようになるだろう。絵画、イラスト、マンガなどを志す人はもとより、初めて人物画を手掛けようとする人や学生にも役立つ技法書である。
引用:『やさしい人物画』「本書の内容」より
長いですね…。
一言でいうと『やさしい人物画』とは、
人物の描き方を全体的に網羅した本
です。
例えば、人体構造だけでなく
- デッサンの仕方
- 遠近法の使い方
- 陰影のつけ方
- 衣服の質感の表し方
…など、人物画にかかわる広い範囲のスキルを学べます。
『人物のデッサン技法』という本と並び、「人物を描くための2大指南書」とも言われたりします。
人物画の技法書の中では、かなり有名な本ですね。
『やさしい人物画』はためになるのか?
有名な本だってことはわかった。
…けど、実際役に立つの?
ここ、気になりますよね。
私の結論は、
「ためになる」
です。
もちろん『やさしい人物画』は、かなり昔の本なので、最近の本みたいに「ワーク」とかついてません。
あと、絵柄も残念ながら「今風」ではありません(笑)
でも、内容は確かです。
絵柄も古いですが、基本的な部分は今も昔も同じ「人間」なので変わりません。
(いきなり人体の比率が15頭身になったりとかしませんからね)
人物画の基礎を身につけるなら、学んで損はない本だと思います。
けど、実際どうやって使えばいいのか、正直わからないよね。
いや、ほんとこれなんですよね(笑)
「やさしい」って言ってるわりに、使い方の視点から見るとかなり不親切。
内容も幅広すぎて、どこから手をつけていいのやら…。
なので、ここからは『やさしい人物画』をどうやって使えば効果的なのか?を説明していきます。
『やさしい人物画』を使う前に意識すべき2つのポイント
ポイント1:『やさしい人物画』は人体構造を学ぶという目的で使おう
はじめに、『やさしい人物画』を使う「目的」をはっきりさせましょう。
先ほどもふれましたが、『やさしい人物画』は、人物画の描き方について幅広く解説されている本です。
- 陰影のつけ方
- 衣服の質感の表現の仕方
…なんていう細かい部分も載っています。
しかし、今回はあえて「人体構造」のみに注目してお話していきます。
理由は2つ。
です。
なので、『やさしい人物画』は「人体構造」を学ぶために使うのがおすすめ。
章でいうと、
- 人物画へのアプローチ
- 骨と筋肉
のみ見ればOKです。
ポイント2:人を描く基本の流れを知っておこう
前回の記事で、「人を描く基本の流れ」について説明しました。
- 骨人形を描く
- 肉づけする
- 整える
…という流れでしたね。
※読んでいない方は、記事をさらっと読んでいただけると、この先の内容がわかりやすいと思います。
この流れをスムーズに行えるように助けてくれるのが、『やさしい人物画』、というわけです。
『やさしい人物画』の効果的な使い方
やっと使い方の説明です…(笑)
大まかに、3ステップあります。
ステップ1:骨人形を模写し、見ないでも描けるようにする
まずは、骨人形を描けるようにします。
これが基本中の基本。
本に載っている骨人形を、コツコツ模写します。
また、この時点で「比率」も意識しましょう。
とにかくいろんなポーズを模写して、描くことに慣れるのがポイントです。
模写に慣れてきたら、見本を見ないで描けるように練習します。
見ないで描くのはけっこう難しいです。
模写同様、いろんなポーズを描けるようにしましょう。
ステップ2:肉づけされた人体を模写し、見ないでも描けるようにする
次に、骨人形に肉づけする練習です。
骨人形は描ける状態になっているはずなので、その上からどんなふうに肉をつけていけばいいのか?を考えつつ、模写していきます。
いろいろなポーズが載っているので、まんべんなく模写していきましょう。
模写に慣れてきたら、見ないで描けるように練習します。
頭の中で想像したポーズが描けるようになったら、完璧だと思います。
ステップ3:骨や筋肉の細かい描き方を覚える
このステップは、余裕のある人だけでいいです。
私もここまでやってないです(笑)
しかし、リアル目のイラストを描く人は、やっておいたほうがいいかもしれません。
この章では、先ほどのページよりも詳しく、骨と筋肉の構造について解説されています。
もちろん各部位の名称を覚える必要はありません。
どう描けばリアルに見えるのか?
を意識しながら、骨や筋肉の形状の特徴をつかんでいけばいいと思います。
ステップ2までの練習では得られない、「人体のリアル感」を表現する力を身につけられるはずです。
まとめ
今回の内容を、さらっとまとめてみました。
さいごに
『やさしい人物画』は、きちんと使えば、きちんと身になって帰ってくる本です。
あと、本に書かれた著者(A.ルーミス)の言葉も、私はけっこうためになると思います。
文体は堅苦しいですが(笑)
イラストレーターの営業方法とか、自分なりの世界観の見つけ方について書かれていたりします。
暇なときに、つまみ読みしてみても面白いですよ。
twitterでは、熊谷ユカの作品をアップするほか、イラストの描き方やブログのあれこれなどをつぶやいています。
イラストを定期的にupしていますので、よかったらフォローよろしくお願いいたします!
コメント